田中正造が足尾鉱毒事件と闘ったこの地･･･。
平成の今、渡良瀬遊水地の水上ではボートやウィンドサーフィン、
ハート型の谷中湖をめぐるコースでは、ジョギングやサイクリングを楽しむ人々。
空には鳥が群れをなし、ゆったりと光と風を満喫したい人達も多く足を運ぶ。

かつて国策だったといっても過言でない程の銅の産出量とそれ に関わった偉人達。
そしてこの地を愛し守ろうとして闘った多くの人々と田中正造の物語。

昨年、田中正造没100年のイベントが開催された。

正造が人を守るために闘ったこの地は、人を追い出し自然で溢れかえり、
絶滅危惧種や国の指定した天然記念物が繁殖を繰り返し増え続けている。

南北に約9Km、東西に約6Km(東京ドーム700個分)から人の生活を遠ざけたこの環境が今、
尊い自然を残し美しい景観を楽しませてくれているのは遠ざけたものらがつくったものではなく、
正造が人のため闘い、私たちの魂に残した愛なのではないだろうか。

結局勝ったのは、田中正造だと私は確信した。

だからこそこれからも語り継がなければ成らない物語なのです。